名もなき黒猫の散歩道

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日常 in the USA

本当に久しぶりです。
黒猫です。

もう1年どころかもうすぐ2年くらい更新が途絶えていたんですね。
なかなかダメだこりゃ。

昔リンクを貼らせていただいた方の中には、
まだちゃんと書いている方もいて、
すごいなぁと思いました。

私は今、博士課程の学生です。
薬学研究科に属しています。
専門は薬理学、とくに電気生理学です。
まぁこんなこと書いても、分かる人にしか分からないですよね。


というわけで今のことを書きます。
実は今、題名の通り、
黒猫はアメリカにいます。
University of California, Berkeleyという大学です。
まぁ実質1月いっぱいだけの、
超短期留学なんですけどね。

留学できたきっかけは、
ホント偶然で、
現在お世話になっている先生がたまたま私の大学に来たので、
そこでうちの先生が仲良くなって、
こういう話に繋がったのです。


こちらに来て思うことがあります。

やっぱり日本の研究って、遅れているな、と。

まぁ、来ている大学が世界トップ10に余裕で入っている大学なので、
比べ物にならないのは知ってはいるのですが、
やっぱり、何か日本の研究方針って、
「とりあえず死ぬ気で働け、とりあえずしっかり詰めろ、堅実に」
というような雰囲気のことが多いと思います。
もちろん、違うところがあるのは知っています。
私の研究範囲だけかもしれません。
でも、そう感じることがあるのは事実です。

こちらの学生は、ほとんど学校に来ません。
私は日本では、午後10時から翌深夜1時まで研究室にいます。
それくらい研究するのは、まぁ博士としては良いことかなと思っていました。
でも確かに、夜中1時に研究しているかと言えばそうではなく、
だいたいは論文を探していたりするだけで、生産的ではないのは事実です。

現在こちらで訪問している研究室の研究員(ポスドク)は、
10時くらいに来て、たぶん午後7時くらいには帰っています。
もちろん日本は深夜外出しても安全という面はあるのでしょう。
しかしこのポスドク、さらにはマラソン選手になろうと現在トレーニングをしています。
朝来る前と、研究合間の昼と、帰ってからと。
絶対私よりは論文読む暇もないでしょうし、
実験も少ないと思います。

でも、この研究室のボスは俗にいうCNSを1人で何本も書いています。
(Cell, Nature, Science。偉大な論文の載る雑誌を指します。
某有名人のおかげでNatureはご存知な方も多いのではないでしょうか)

そりゃ、ボスになる前と後で違う、と言われるとそれまでですが、
おそらくは、そんなわけではないと思います。
たぶん、「量より質」で動いているのだと思います。


新しい、おもしろいことをエレガントに発見したい。


アメリカ人はそんなことを思って実験しているのではないでしょうか?
もちろん、それを思いつくためにはかなり勉強していると思います。
つまり、よく練って、面白いことだけ実験して、
当ればそれを大雑把にまとめて話を大きくする。
そういうことを常にやっているのかなと思いました。

例えば、「AがBというスイッチを入れてCがおこる」を証明するのに、
日本人なら
「AがBというスイッチを入れる。Dは入れない。Eも入れない。逆にBはFでもGでもスイッチを入れられない。Bというスイッチを入れるとCがおきる。HもIも起きない。」
と証明するところを、
アメリカ人は
「Bというスイッチを破壊したらAをしてもCがおこらなくなった。だからAはBに影響してCを起こしている」
と証明すると言った具合です。
ちょっと自分でも雑すぎるな、と思う例えですが。

そりゃ、日本人の方が、しっかり証明している分、
堅実で、良い論文になるのは分かります。
でも、もしもこの後、
「CがJしてKしてLしてMしたからNになるんだ!」
というストーリーがある時に、
日本人方式ではいつまでたっても実験が終わりません。
もちろんすべてをしっかりしていれば、かなり素晴らしい成果ですが、
それではスピードでアメリカに負けます。


ここまですべて日本人は、と書きましたが、
もちろんそうじゃない方もいると思います。
それはわかっています。
そうじゃない方には本当に申し訳ないです。
しかし、少なくとも医学薬学分野において、
日本が全般的に欧米に遅れをとってしまう理由は、
こういう堅実さが仇になっているんじゃないかなと、
今回アメリカに来て思いました。


日本人よ、大志を抱け。

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